映像制作 編集ソフト 2026年版|市場動向と選び方のポイント
2026年、映像編集ソフトウェア市場はどこへ向かっているのか
映像制作に関わる方なら、編集ソフトの選択肢がここ数年で大きく変化していると感じているのではないでしょうか。セブンシーズピクチャーズでも制作現場の視点から市場の動きを継続的に観察していますが、2026年は特に変化が顕著な年になっています。
市場調査会社Mordor Intelligenceのデータによれば、世界の動画編集ソフトウェア市場は2026年時点で約37.5億ドル規模に達しており、2031年には49.9億ドル(年平均成長率5.88%)への拡大が見込まれています。なかでもアジア太平洋地域は年平均7.22%と最も高い成長率を示しており、日本を含む東アジア市場の存在感が増しつつある状況です。
この記事では、企業の映像担当者やクリエイターの方に向けて、現場で観測されているトレンドと、ソフト選びに影響を与えそうなポイントを整理してお伝えします。
Adobe Premiere Proの圧倒的シェアと、変化の兆し
日本市場においては、Adobe Premiere Proが依然として89〜91%という圧倒的なシェアを維持しています。これには明確な理由があります。PhotoshopやAfter EffectsといったAdobeツールとのシームレスな連携、教育機関や映像スクールでの採用率の高さ、そして企業がすでにAdobe Creative Cloudの契約を持っているケースが多いこと——これらが組み合わさって、Premiere Proを中心とした制作ワークフローが業界標準として定着しています。
一方で、制作現場で感じるのは「もう一つの選択肢」への関心が確実に高まっているという点です。その中心にあるのがBlackmagic Design社のDaVinci Resolveです。基本版が永続無料、透かしなし、商用利用可という異例のビジネスモデルに加えて、映画やCM制作でも使われるHollywood水準のカラーグレーディング機能が標準搭載されています。月額費用を抑えたい個人クリエイターやフリーランスを中心に、日本でも急速に利用者が増えているという観測があります。
企業として映像制作を内製化する場合や、外部のクリエイターと連携する際には、こうしたソフトウェアの多様化を念頭に置いておくことが、今後のワークフロー設計に影響してくるかもしれません。
DaVinci Resolve 21が示す「AI編集」の現在地
2026年6月3日、DaVinci Resolve 21が正式リリースされました。発表からわずか7週間というスピードリリースで、業界内でも注目を集めています。今回のアップデートで特に目を引くのは、8つのAI関連ツールの搭載です。
たとえば「AI IntelliSearch」は、膨大な素材の中から人物・オブジェクト・セリフを自然言語で検索できる機能です。複数カメラで長時間撮影した素材を扱うことが多いインタビューやイベント映像の編集では、素材の整理・検索にかかる時間を大幅に短縮できる可能性があります。また「Voice to Subtitle(uTalk)」は音声から自動で字幕を生成し、話者を画面上の位置に自動で配置する機能で、字幕制作の効率化に直結するものです。
さらに、20年以上の歴史を持つモーショングラフィクスライブラリ「Krokodove」が今回のバージョンからFusion(DaVinci Resolveのモーショングラフィクス機能)に統合されました。100を超えるツール群が標準搭載されたことで、これまでAfter Effectsが担ってきたような表現の一部がDaVinci Resolve単体でも実現しやすくなっています。
AI機能の搭載という点ではAdobe Premiere Proも積極的で、「AI Generative Extend」などの生成AI機能が継続的に強化されています。両者の競争が、制作現場で使えるAIツールの水準を全体的に引き上げているという見方もできるでしょう。
縦型動画の活用を検討している方は、縦型ショートドラマで企業認知を上げる方法もあわせてご参照ください。ソフトウェアの進化がこうした新しい映像フォーマットとどう結びつくか、具体的なイメージが湧くかと思います。
「ツールの多様化」は制作体制の見直しを促している
ここまで見てきた市場の動きをふまえると、2026年の映像編集ソフトウェア市場には大きく三つの潮流があると私たちは見ています。
一つ目はAI機能の本格的な実用化です。字幕生成、素材検索、オブジェクトトラッキングといった機能は、すでに「あれば便利」から「ないと非効率」のフェーズに入りつつあります。エンタープライズ向けにAI機能を採用している組織は世界で64%に上るという観測もあります。
二つ目は無料・買い切りモデルの台頭です。DaVinci Resolveの無料版とStudio版(295ドルの買い切り)という価格モデルは、月額課金に慣れ親しんだユーザーに改めて「所有するソフト」という選択肢を提示しています。コスト構造を見直したい企業にとって、検討の俎上に乗るケースが増えているようです。
三つ目は縦型・短尺フォーマットへの対応です。TikTokやInstagram Reels、YouTubeショートといった縦型9:16フォーマットへの書き出しは、今や映像制作ワークフローの標準的な工程になっています。各ソフトがこのフォーマットへの対応をどこまで効率化できるかは、制作現場での評価に直結しています。
一時期台頭したサブスク型のソフトウェア提供についてですが、ユーザーが支払い続けることに疲弊している時代とも言えるかと思います。私自身何年もAdobe課金を続けてきたものとしては、ソフトウェアに対する期待値は上昇するので、より厳しい目でサブスクコストが見合ったものなのかを成長性を含め、検討していかなければいけないと思っています。
企業として映像を活用するための体制づくりに関心がある方は、映像制作サービスの詳細も参考にしていただけると、具体的なワークフローのイメージがつかみやすいかと思います。
ソフト選びの前に考えておきたいこと
映像編集ソフトの選択は、単に「どれが高機能か」という問いではありません。制作チームのスキルセット、既存のツールとの連携、コスト構造、そして作りたい映像のフォーマットや量——これらを総合的に考慮する必要があります。
Premiere Proは今後も日本市場の主流であり続けるでしょうが、DaVinci Resolveの急成長は「複数のソフトを状況に応じて使い分ける」という考え方を現場に浸透させています。特に、カラーグレーディングの品質にこだわりたい案件や、コスト効率を重視したい内製化プロジェクトでは、DaVinci Resolveの選択肢を検討する価値は十分あると感じています。デザイナーの方などAdobe経済圏から離れられない方はPremiere Proにいくのが自然かと思いますが、何の縛りもない場合であれば、DaVinci Resolveを試してみる価値は十分にあります。また、スマホの高性能化に伴い、Instagramなどの公式アプリでの編集もより行いやすくなったので、簡単な発信に留めたい方であれば、スマホアプリも入口としては良いでしょう。
AI機能の進化によって「編集の民主化」が進む一方で、企画・演出・ブランドへの理解といった人間の判断が求められる領域の重要性は、むしろ高まっているとも言えます。ツールが進化すればするほど、何を作るかという視点が問われる時代になっています。
映像活用について、まずは気軽にご相談ください
セブンシーズピクチャーズでは、企業の映像活用戦略から実際の制作まで、幅広くサポートしています。「どのような映像を作ればよいかわからない」「ショートドラマやSNS向け縦型動画に興味がある」「制作体制の見直しを考えている」といったご相談も歓迎しています。ショートドラマ制作サービスの詳細もご覧いただきつつ、まずはお気軽に無料相談フォームからお問い合わせください。映像制作のプロとして、貴社の状況に合った方向性を一緒に考えます。
この記事をシェア






